根付彫刻がどのようにつくられるか紹介します。
作品名「小犬とわらじ」(正面)
象牙彫刻の代表的な工芸品である「根付」は、江戸時代から伝わる伝承芸術品です。その繊細な根付技法は長い研鑽と洗練された技術により、現代でも多く愛好されています。
仕上げイメージにそって象牙材を切出す。
イメージした構図を象牙に描く。
鋸を用い、構図にそって型取り。
細部を電動工具(ハンドピース・ミニターなど)で型を作る。
ヤスリ・丸ヤスリなどで荒彫り、全体の型作り。
表情や動作など作品の表現を、彫刻刀にて削りあげる。(象牙用の彫刻刀は左側に刃が付いている。また、用途により30本以上の彫刻刀を用いる。)
削り上げた作品の削り目を、木賊(とくさ)・磨き砂・ペーパーブラシで取り除き、象牙特有の柔らかな艶と光沢を出す。
動物がテーマの場合、毛彫り彫刻刀にて毛の細部まで彫り上げる。(仕上時間は、1体約4・5時間)
作者名を入れ、ヤシャブシ(木の実)の染料で色付け、墨付けにて古色を出し完成。
作品名「小犬とわらじ」(裏面)