私たちが貴重な象牙を材料とした生業を続けたいと考えるのは、伝統工芸技術を継承したいとの理由だけに留まりません。サステイナブルユースという考え方を強く支持するからです。サステイナブルユースとは「持続可能な利用」などと訳され、生物や生態系そして再生可能な資源を再生能力の範囲内で利用する、保全の一つの形態です。ワシントン条約では、許可された象牙の合法的な国際取引によって原産国が得た資金は、全て、アフリカゾウの保全と生息地や隣接地に暮らす地域住民の開発計画のために使われることになっています。
アフリカゾウが絶滅すれば、私たち業界も絶滅します。日本政府による数々の厳格な規則の導入に当たっても、積極的に協力してきたところです。私たちは、いかなる違法行為も排除されるべきだと思います。しかしながら、合法的な国内市場を閉鎖するというような極端な措置には断固として反対します。アフリカゾウの保全に役立つとは到底思えないからです。私たちが求めるのは、違法な取引の根絶であって、合法的な取引の禁止ではありません。今後とも、象牙の伝統工芸技術を継承していくとともに、アフリカゾウの保全に貢献していきたいと思います。
現在、報道等で伝えられていることは、必ずしも正しい情報だけとは限りません。
例えば、日本での象牙の需要が、あたかもゾウの密猟の原因となっているような報道をされることがあります。しかし、ワシントン条約で公開されているETISというデータによると、日本での象牙の需要がアフリカゾウの密猟の原因となっていないことを示しています。
アフリカゾウはIUCNレッドリストに絶滅危惧種として掲載されています。これは種全体の話であり、地域別にみると、南部アフリカのゾウは絶滅の懸念がないとされています。南部アフリカでは、この100年間、一貫してアフリカゾウの数が増えていることが IUCNのデータから窺えます。つまり、地域によって異なるのが事実なのです。
また、2016年に南アフリカで開催されたワシントン条約会議で聞いてきた地域住民の発言では、農村部を荒らすゾウから子供や農作物を守りながら保護するためには、地域住民の協力が不可欠であり、そのためには、ゾウが自然死などで残してくれた象牙に経済的な価値を与えてほしい、地域住民の生活の保護も動物の保護の一環と考えてほしい、といった声を聞いてきました。
詳しくは、象牙とゾウを取り巻く現状について書かれております。下記URLよりご参照ください。
THE IVORY 日本の伝統工芸と象を取り巻く現状
【PDFリンク】
将来的にワシントン条約の理念である「サステナブルユース」の実現することで、ゾウの保全に貢献するためにも、我々象牙を扱う事業者は、日本の合法市場が、厳格に管理されることは重要であると考えております。
そのためにも、違法な取引の根絶と法令順守のためのさまざまな情報発信と啓蒙活動を通じて、「ゾウの保護」と「伝統文化の継承」を果たすために、さらに積極的に取り組んでいくつもりです。
東京象牙美術工芸協同組合
理事長 鶴見 剛
理事長(総務・広報担当):鶴見 剛
副理事長(総務・会計担当):大熊 隆嗣
専務理事(広報・伝産・運営担当):石橋 保浩
理事(運営・伝産担当):山本 充義
理事(会計担当):岡田 毅
理事(伝産・運営担当):石橋 保浩
監事:辻田 利明
監事:北川 晃一郎
相談役:桜井 實
顧問税理士:浅見 久男
昭和42年10月30日:東京象牙美術工芸組合解散、東京象牙美術工芸協同組合を設立、現在に至る。
昭和21年:戦後、通産省の指導により、東京輸出牙彫工業組合を解散し、業者と技術者を包含した東京象牙美術工芸組合を設立する。
昭和16年:戦時の統制経済による工業組合法施行にともない、東京牙彫商同業組合を東京輸出彫工業組合に改組する。
明治37年:東京彫工会会員の商人グループで東京牙彫商同業組合を結成。
明治20年2月:東京彫工会設立される。
(実際行っているもの)
(1):原材料の共同購買
(2):象牙及び製品の交換会
(3):共同宣伝事業の実施
(4):展示・即売会の開催
ご存じですか?
象牙加工製品に、政府認定シールが付きました。
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を、より効果的に行うため「種の保存法」が施行されています。これにより適正に入手された象牙から製造された象牙加工製品には、政府公認の認定シール(標章)が添付されています。
本象牙工芸品の伝統美をご堪能ください。
永いときに亘り、受け継かれてきた伝承の技と悠久の美。
心深く伝わる高貴な光沢、その気品を生かす繊細な細工技術が、時代を越え価値ある芸術品として高い評価を受けてまいりました。
本象牙ならではの深く荘重な趣をご堪能ください。
〒111-0035 東京都台東区西浅草3-26-3 TEL 03-3841-2533 FAX 03-3841-2557
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●営団地下鉄・銀座線/浅草・田原町駅 徒歩10分
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